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2015年6月5日、東大職連は東京大学学長に団交要求を提出しました。それ以降の経過について職連ニュースを掲載します。


(これまでサブページで展開してきた「有期雇用をめぐる情勢」「原発事故特集」は、サブページに掲載を継続しています。)






p.1

    職連ニュース No.R01       2015,6,10

                       五神真 東大学長に団交要求、

                         
学長は早急に団交に応ぜよ!

東大の職員、教員、学生のみなさん!
 東大職連(ユニオンイースト東大支部)は6月5日、五神学長へ団交要求書を提出し早急に団交を設定するよう要求しました。(団交要求書は2Pをご覧ください)
東大の全職員の40%を占める有期雇用労働者の差別撤廃。職員と教員の定年差別、高齢による差別撤廃。アスベスト根絶、被曝・被災労働者の公務災害認定をはじめ労働安全対策の確立。下請け労働者の処遇の改善。急死した分生研大橋さんの業務上の全貌解明等の要求に答えることを要求するものです。多くの皆さんに支援・連帯を訴えます。

東大のアスベスト汚染と被害
   東大はアスベストに充ち満ち、ズサンなモグリ撤去で飛散・被曝を招いた
1987年頃、東大には190室、10万㎡(東京ドーム2個分余)の吹き付けアスベスト、及び大量の石綿含有建材が放置され、この発がん物質が職員・学生の生活を脅かしていました。さらに法的な防御法の処置すらもない杜撰なアスベスト撤去工事で、防護もなしの下請け労働者が被曝させられ、職場や周辺地域に汚染を拡大させている事態も発生しました。

東大本部は「安全」と言いくるめようとした

   私たち東大職連は、危険で劣悪な職場環境の問題として学長補佐交渉等でアスベスト根絶を要求してきました。1987年10月環境安全委員会は石綿について総長への異例の「勧告」を行いましたが、当時の東大本部は「東大内の空気中石綿濃度は、一般の濃度と変わらない」「石綿について危険性をあおるな」等とキャンペーンしました。

職連の調査・空気中濃度測定・監視活動
1988年、職連は職員と市民の参加で「アスベスト根絶ネットワーク」を結成し、アスベストの空気中の濃度測定や除染工事の監視行動、環境安全センター長交渉、各部局の環境安全委員との交渉を行ってきました。職連の独自測定では、吹き付け石綿があり日常の活動が行われている室内でも、外部の空気中濃度の数十倍から100倍を超える石綿濃度が観測されました。大学はようやく安全除去へと進むに至りました。この活動は本来大学自らが行うべきものだったと言えます。

本部職員、職連メンバーの被曝、被災
   しかしその過程で石綿を取り扱った本部職員にもアスベスト被災・発病、公務災害認定が確認されました。私たち職連側も被曝や被災をし、職連のアスベスト対策の中心メンバーだった大橋幸男さんがこの度死去されました。この急死に至る経過を明らかにさせ、公務災害として認めさせなければなりません。

東大アスベストの根絶を
   東大の石綿は現在もなお大量に残っています。アスベスト根絶に向け、大学は予算を確保し、危険な石綿を最後まで安全に除去する責任があります。


p.2
                                団交要求書              2015 年6月5日
東京大学学長 五神 真 殿  
                                                           ユニオンイースト執行委員長 
                                                           ユニオンイースト書記長/東大職連連絡窓口

1、有期雇用教職員と正規雇用教職員との待遇の差別を撤廃せよ。
1)有期雇用教職員と正規雇用教職員の給与の差別をやめよ。
(1) 当面短時間勤務有期雇用教職員の時給を最低消費税相当分UPせよ。
(2) 当面特定短時間勤務有期雇用教職員の時給を最低消費税相当分UPせよ。
2)有期雇用契約期間中の解雇条項(中途切り)を撤廃せよ。
労働契約法17条を遵守し、短時間勤務有期雇用教職員就業規則第13条を撤廃せよ。
 3)有期雇用の雇用更新上限を撤廃せよ。
短時間勤務有期雇用教職員就業規則第11条2(いわゆる5年条項)を撤廃せよ。
2、定年や高齢による差別をするな。
1)職員と教員の定年差別を撤廃せよ。
(1) 職員の定年は60歳とし、教員の定年は65歳とする差別の理由を明らかにせよ。
(2)「教職員の定年は60歳」(教職員就業規則第18条)を一律「65歳以上」にせよ。
2) 60歳以上の雇用継続を希望する職員全員の雇用を継続せよ。
(1) 有期雇用教職員の短時間勤務就業規則89条や特定短時間勤務23条を「希望した者を全員雇用継続する」にせよ。
(2) 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法(「有期雇用特別措置法」)の「認定」につき、認定申請の有無を明らかにせよ。
3、職場での労働安全対策を確立せよ。
1)東大のアスベストを根絶せよ。
(1) 東大には 1987年当時約10万㎡の石綿があり「石綿粉塵濃度は一般大気と同程度0,5本/Lで安全」(事務局)としていたが、1987年5月からの補佐交渉等で、職連はそれを遙かに上回る調査分析値を示し即時全面除去を要求した。これに対し大学は除去の必要性を認め、工学部、地震研、病院等と除去工事を行ってきた。このことを確認せよ。
(2) 東大職連の調査分析の作業は大学のアスベスト汚染を明らかにし、除去工事を行うに当たって必須の作業であったことを確認せよ。
(3) 東大職連のアスベスト対策の中心メンバーであった大橋幸男さんの死去は、アスベストに起因する公務災害であったことを認め、補償を行え。
(4) 学内にアスベストは現在何㎡残っているのか、また根絶の方法を明らかにせよ。
2)廃棄物処理を適正に行い、安全対策を確立せよ。
(1) 学内処理と外部委託処理している廃棄物の種類と基準を明らかにせよ。
(2) 放射性物資等の廃棄物の安全策は現在どうなっているか。 
(3) 排水水質検査で、鉛、水銀等が報告されているがその対策を明らかにせよ。
3)メンタルヘルス対策を確立せよ。
(1) 厚労省指針のケア体制(セルフケア、ラインケア、スタッフケア)は東大においてどのような体制になっているか、明らかにせよ。
(2) ストレスチェック義務化実施に向けどのような準備をしているか答えよ。
4、下請け労働者の処遇について
1)下請け労働者の賃金UPを働きかけよ。
(1) 下請けの賃金の内容を調査し、最低消費税相当分の賃金UPを働きかけよ。
(2) 残業等の労働時間や深夜労働等の勤務実態を明らかにせよ。
2)下請け労働の健康安全対策を下請企業と共に確立せよ。
5、分生研職員大橋さんの急死について
1)東大病院が昨年12月大橋さんの入院を拒否し、1月入院後、2月強制退院させた経過を調査し、その理由を明らかにせよ。
2)大橋さんは1965年応微研に就職以来、職場で実験器具や廃棄物の処置・処理に従事してきた。その経緯と取り扱った廃棄物等の内容と量の全貌を明らかにせよ。以上


p.3
   <団交要求書の資料です>

短時間勤務有期雇用教職員就業規則
(3)事業の休廃止又は縮小その他事業の運営上やむを得ないとき
(4)成年被後見人又は被保佐人となったとき
(5)禁錮以上の刑(執行猶予が付された場合を除く)に処せられたとき
(6)その他業務に必要な適格性を欠くとき
(7)前各号に準ずるやむを得ない事由があるとき

短時間勤務有期雇用教職員就業規則
(契約の更新)
第11条第4条第5項及び前条第1号の規定にかかわらず、労働契約の期間満了時に更新することを予定した労働契約を締結する場合の契約の更新は、予算の状況及び従事している業務の必要により、かつ、当該短時間勤務有期雇用教職員の勤務成績の評価に基づき行うものとする。
2前項による更新は4回(採用した日が会計年度の初日でないときは5回)、かつ、採用した日から起算して5年を限度とし、以後更新しない。ただし、契約を更新しようとする日(第4条第2項ただし書きにあっては、更新しようとする期間内を含む。)において、年齢が満60歳(臨時用務員にあっては、満63歳)に達し、かつ、その日以後の最初の3月31日を超えることとなる場合には、契約の更新をすることができない。

短時間勤務有期雇用教職員就業規則
(高齢者雇用の特例)
第89条特に必要と認めた場合には、第4条第6項の規定にかかわらず、満60歳(臨時用務員にあっては、満63歳)に達した後の者を雇用することができる。

東京大学特定短時間勤務有期雇用教職員の就業に関する規程
(高齢者雇用の特例)
第23条特に必要と認めた場合には、第5条第3項及び第9条の規定にかかわらず、満60歳に達した後の者を雇用することが出来る。


                           無期転換ルールの特例の仕組み

     事業主                                                         厚生労働大臣
   計画の作成                                                基本指針

・対象労働者に応じた適切な雇用管理                       ・対象労働者に応じた適切な雇用管理
  に関する事項                                         申請           に 関する事項   
                                →                 
例: 労働者が自らの能力の維持向                              (高度専門労働者、高齢者それぞれに
 を図る機会付与(高度専門労働者)        認定           ついての趣旨に即した多様な事項を
配置、職務等に関する配慮(高齢者)         ←              例示                                               
 


p.4   

    塾のブラックバイト
       厚労省が改善要請、違法な例示す

                            
     朝日新聞    2015年6月7日

 大学生らを酷使する「ブラックバイト」の問題で、厚生労働省が学習塾業界に、適正に賃金を支払うよう異例の要請をしていたことがわかった。「未払い賃金がある」といった相談が労働組合などに相次いでおり、業界全体で改善に取り組むよう求めている。
 講師らが授業時間の前後に働かされているのに賃金が支払われていない事例があり、厚労省が調べていた。残業の割増賃金を支払わなかったり、時給が最低賃金を下回ったりする例もあったという。厚労省は具体的な件数を公表していないが、労働基準法や最低賃金法の違反事例も目立つとして、塾業界で不適切な労務管理が広まっている可能性があると判断。労働基準局長からの改善の要請文を、全国学習塾協会や私塾協同組合連合会など関係7団体に3月末に送った。
 要請文では、労働基準監督署が実際に指導した違法なケースを例示している。授業後に生徒からの質問対応をさせる際に、時間給ではなく一律「100円」だけ払っていた事例もあったという。
 全国学習塾協会は、約470の塾運営会社などに内容を伝えて法令順守を徹底させるようにした。担当者は「一部の塾による賃金未払いは、業界が以前から抱える問題だ。厚労省の要請をきっかけに、見直しを進めていきたい」という。
 ただ、業界団体のなかには「会員への指導に強制力はなく対応は任意」というところもある。団体に加盟していない小規模の塾も多いため、改善要請が十分に伝わらない恐れもある。

                    それブラックバイトじゃない?
                 
長時間労働・自爆営業
                                                                                                     同       4月22日
 大手コンビニチェーンの滋賀県の店で昨年11月まで1年半ほど働いた男子大学生(20)は、うな重やお中元の販売ノルマを課せられたという。おでんのキャンペーンの週には「家族や友達にも声をかけて100個は達成を」とオーナーに言われた。親にも一部出してもらって自宅用に数千円、50個以上を購入。残りは親戚に頼んだ。
 未達なら反省文を書かされ、「罰ゲーム」として勤務時間外にゴミ捨て場の掃除などを無給で命じられることも。オーナーが怖くて自腹購入がバイト仲間で常態化していたという。負担は1回あたり数千円でも、学生にとっては大きな出費になる。正社員でもノルマ達成の「自爆営業」は問題になっているが、弱い立場のバイトにもしわ寄せがいっている。
 大手コンビニ側は「本部から販売を強要するよう指示を出すことは一切ない」という。ただ、大半の店舗の運営はオーナーに任されていて、別の店のオーナーは「販売目標をバイトにお願いしたことはある」と認める。




   職連ニュースR01-2からの抜粋

     <団交要求書、3、1)(1)の資料です>  

1、環境安全センター
  「昭和61年1月の勤務環境ガス分析で、工学部2つの実験室から依頼のあった石綿(アスベスト)を測 定した結果、8、9fiber/ccが計測された。石綿の許容濃度は5μ以上の粒子について、5fiber/ccである が、最近の労働基準局長通達では、2fiber/ccで指導されているので、大変な超過である。環境安全委 員会では、この問題を重視して石綿を使用している建物を調査するとともに、その汚染の実態を知る ために、石綿についての勤務環境ガス分析を、それぞれの関係部局で実施し、その計測結果にもとづ いて諸対策を立てるべく石綿問題専門委員会を設置をした。」
                                                  (1986,3「環境安全No32」)

2、新聞報道 「東大工学部で石綿汚染」 環境基準の5倍、専門委設置
                    
(1の内容を記述したうえで)・・・その後、機械工学、都市工学科の実験室などが入っている工学部8号館の天井に、大量に使用されていることが分かり、地下2階、地上7階建てのうち、約半数の部屋で天井や壁に吹きつけが行われ、中にはボロボロになって、天井から繊維状のものが垂れ下がっている実態が明らかとなった。
                                                                                (1986,6,21朝日新聞)

3、環境安全委員長から総長への勧告

   東京大学環境安全委員会は、本学における建築物の吹付け石綿対策について別紙第1のとおり報告し、併せて、東京大学環境安全委員会規則第2条に基づき別紙第2のとおり勧告する。
この勧告に対し、総長がその実現のため速やかに所要の措置を執られるよう切望する。
    
    別紙第2                                勧告

   環境安全委員会は職員の健康や生活環境に係る被害を生ずるおそれのある「建築物の吹きつけ石綿」について、緊急に適切な対策をとる必要があるものと考え、次のように勧告する。

1)石綿の危険性・有害性についての周知・徹底を図ること。
2)本学における石綿による健康障害の実態を把握するよう努めること。
3)部局に「建築物の吹きつけ石綿取扱い暫定基準」の趣旨を徹底させ、日常の業務への支障が最低限になるよう工夫を講じ、部局の事情に応じた措置を緊急に実施するよう指導すること。
4)石綿対策に必要な予算については、十分配慮すること。
5)石綿対策は大規模な作業となるので、大学としては次のように組織の強化 ・充実を図ること。
(イ)全学的且つ機能的な石綿対策委員会(仮称)を設置する。[例えば、防災対策委員会、保健委員会、環境安全委員会の機能を総合したような組織]
(ロ)環境安全センターに石綿に係る環境監視と、除去石綿処理の指導部門を臨時に設置する。
その担当者として、必要な人員を学内措置で配置する。

(注)別紙1は労働安全衛生法や東京大学環境安全管理規定や職員の健康安全管理規定に基づいた「建築物の吹付け石綿取り扱い暫定基準」を指している。
(1987,10,5 環境安全委員会委員長 稲本直樹)



p.1
                            職連ニュース No.R02’                  2015,7,6

                               五神学長は早急に団交に応ぜよ!

団交要求に対し、引き延ばしを図るな!!
 私たち東大職連(ユニオンイースト東大支部)は6月5日、五神学長に5項目の団交要求書を出しました。6月10日に大学に電話で確認したところ,あちこち回されたのか、10分ほどしてようやく人事部労務等担当根岸係長が電話に出てきましたが私たちの団交要求書も見ていない状態でした。
 6月12日、再度電話したところ、根岸係長は、調査・検討に時間がかかる。放置するつもりはない、と対応しましたが、要求に該当する職員の氏名を明らかにせよ、と不当な言いがかりをつけたりもしました。
 さらに6月17日、進行状況を確認ところ、要求が多岐にわたるので他の部署に調査など依頼しているが、法人化で組織改編もあり時間がかかる、との対応でした。要求項目はいずれも重要で緊急性を要するものです。五神学長は早急に団交の日時を設定し、団交を行うよう強く要求します。

団交要求書、各項目について

 1、有期雇用教職員と正規雇用教職員との待遇の差別を撤廃せよ。
 法人化と同時に導入された東大の有期契約労働者は、現在3600名を超え、全 員の40%に達しています。すでに有期雇用で多くの従業員を雇用してきた「民間」企業では雇用の上限など殆どありません。「東大がやっているから5年期限を導入する」という現状です。賃金等あらゆる処遇で正規職員との差別をなくすべきです。私達は賃金や他の労働条件の差別廃止に向け、この要求をしています。

2、定年や高齢による差別をするな。
 東大の教職員就業規則は定年を60歳に定めていますが、教員は法人化以前から評議会決定をもって段階的に引き上げ、65歳となっており、その根拠は不明です。
根拠も不明な定年差別をやめ、職員も同等に65歳とすることは当然であり、60歳以上の職員全員を雇用継続するよう要求します。

3、職場での労働安全対策を確立せよ。
<この2月、急死した大橋さんのアスベスト労災については、2ページ以降参照>
   大量の有害な廃棄物を学外へ排出しながら、取り扱い業務を外注化している東大、その廃棄物処理の現状はどうなっているか。ストレスチェック義務化は本年12月より施行、東大はどうするのかなど明確にすべきです。

4 、下請け労働者の処遇について
 東大の下請け労働者の殆どは有期雇用です。その劣悪な、労働条件、給与、職場安全策などについて、東大の責任は極めて大であり責任ある回答を要求します。

5 、分生研職員大橋さんの急死について
 今年2月、瀕死の大橋さんを東大病院はなぜ強制退院させたのか、またアスベスト以外でも大橋さんが業務で扱った廃棄物の実態について、学長は責任を持って説明し回答することを要求します。

p.2
    アスベスト被曝し急死した大橋さんを労災認定せよ


1、最も緊急の課題、要求第3項目の1
職連のアスベスト対策の中心メンバーで、東大アスベストの調査・監視・モグリ撤去抗議行動を担って被曝した職連大橋さんの死去(2月16日)について、緊急に公務災害認定への働きかけを行うことを要求するものです。すでに死去から4ヵ月過ぎましたが放置されたままです。

2、本部職員被災、公務災害認定。被曝職員からの連絡呼びかけ
2006年11月17日、東京大学は「東京大学職員の中皮腫発症について」で石綿取扱いに従事した施設系技術職員の石綿被曝による発症を公表しました。その際大学は、「本学から他機関に異動または退職した職員の方で新聞報道等をご覧になり健康診断等をご希望の方は是非ご連絡をお願いします。」と声明しました。被曝した職員は08年に公務災害認定を受けました。被曝して死去した大橋さんの公務災害認定について団交で答えるのは当然のことです。

3、横行したズサンなモグリ撤去で飛散・被曝を招いた
1987年頃、東大の厖大な石綿が各所で危険な状態であることが明らかになり、職連は学長・環境安全委員会への要求を行いました。環境安全委員会は学内の石綿には当面手を触れない「石綿凍結」を決定し、さらに1987年10月総長への「異例の勧告」を行いました。しかし「石綿凍結」にもかかわらず、これを無視して学内では石綿撤去=モグリ撤去が横行しました。これはまず何より学長・大学本部に責任があります。1987年8月地震研モグリ撤去で下請け労働者被曝。88年2~4月、工学部、教養学部でモグリ撤去が強行され、下請け労働者から告発されました。

4、東大には安全除去の基準すらなかった
当時、労働安全衛生法、特定化学物質等障害予防規則等、アスベストの安全撤去工事について、国の法律や規則が厳密に定められていました。<*工事ついての周知、*有資格者の立会、*現場の完全密閉・負圧化、*洗身設備、休憩室の設置、*作業中および前後の環境測定、*防護衣着用、*除塵設備、*廃棄物処理、等。>しかし東大は87年の「勧告」と同時に出された「暫定基準」(これも不十分なもの。吹きつけ石綿除去に限定、負圧化が明記されず)まで東大では基準もなく「安全」として放置し続けていたのです。(3ページ参照)

5、モグリ撤去を食い止めて石綿安全除去へ。大橋さんの被曝
石綿の危険性が明らかになればなるほど、法的基準を無視したモグリ撤去が蔓延します。東大も例外ではなく基準制定前にモグリ撤去が相次ぎました。
1986年以来私たち職連は、このモグリ撤去の摘発と当時の最低の基準によるアスベスト除去を大学に要求しました。大橋さんの被曝はこの活動=調査(空気中の濃度測定やモグリ撤去現場の調査監視行動)とモグリ工事への抗議行動の只中のことです。大橋さんの行動は、本来、大学が自ら行うべきことでした。1987年秋、大学は環境安全委員会の「暫定基準」を作り、その後大学のモグリ撤去は一段落しました。

6、応微研(現分生研)モグリ撤去。大橋さんの公務災害認定を勝ち取ろう!
1984年当時大橋さんが所属していた応微研では地下のボイラー室改修工事を行い、アスベストを撤去しましたが、86年この撤去工事によるアスベスト遺物が職連等に摘発され、88年除去やり直し工事が行われました。大橋さんはこの際も身を挺して調査測定を行い被曝したのです。大学本部の担当者は安全な立場で作業を担当し、それでも20年~30年経って公務災害として認定されました。
学長は死去した大橋さん公務災害認定を早急に行うべきです。


p.3
<団交要求書第3項目アスベスト関係の資料です>

1、「労働基準法特定化学物質等障害予防規則(特化則)」1988年頃まで
1971年、特化則制定、アスベスト製造工場が対象、粉塵発生源密閉又は局所排気装置の設置(5条)、排気装置の要件(7条)、排気装置の稼働(8条)、除じん(9条)作業主任者の選任(27条)、職務(28条)、休憩室の設置(37条)、洗浄設備の設置(38条)、作業場での喫煙等の禁止(38条の2)、作業場での掲示(38条の3)、作業の記録(38条の4)、石綿等の湿潤化(38条の8)、呼吸用保護具・作業衣・保護衣(38条の9)、石綿の使用状況等の調査、その結果の記録(38条の10)、石綿除去作業場所の隔離(38条の11)、健康診断の実施(39条)、記録の保存(第40条)等
1972年、「労働安全衛生法」制定、特化則は同法に基づく規定になる。
1975年、「特化則」の大改定。製造から製品の取り扱いまで範囲を拡大。 石綿5%超対象(1995年に1%へ)、石綿等の吹付け作業の原則禁止(38条の7)、作業および労働者に関する記録は3年から30年間保存へ
1988年 作業環境評価基準(労働省告示79号)作業場所の石綿粉塵管理濃度2f/? 
クロシドライト0.2繊維/?
(同年、建築物の吹き付けアスベスト粉じん飛散防止のための技術指針(建設省
の外郭団体、日本建築センター)、建築物の解体または改修工事におけるアスベスト粉じんへの曝露防止のガイドライン(労働省の外郭団体、建設業労働災害防止協会)、アスベスト廃棄物の管理に関する行政通達(厚生省)。

2、1987年東大が作成した建築物の石綿取扱い暫定基準(抜粋)
 天井、壁などの吹きつけの取り扱いに関するもの。実態の把握、表示の義務、使用の制限、教育の徹底、情報の提供などを列記。
部局長は改修などの工事に際しては87年の建設業労働災害防止協会資料に準拠する工事請負者を指導し、これに従った「作業手順書」等の提出を求め作業環境上、一般環境上支障のないことを確かめておく。
工事する建築物の施行室内外については、工事中、工事後に、建物周辺部については、適当な場所4箇所以上を設定し、工事前、工事中、及び工事後において、適当回数空気中の石綿濃度を測定する。センターと相談の上回数を減ずることも出来る。
改修で発生する石綿は湿潤状態のまままとめ、産業廃棄物として取り扱うがコンクリートで包埋、ポリエチレン袋内で固化し、自治体の担当部課と相談のうえ、適正な埋め立て処分を行うこと。仮抑え工事は特に注意して施行する必要など。   (1987年10月東京大学環境安全委員会)

3、モグリ撤去例
1) 応微研(現分生研)
①1984年、地下のボイラー室を二つに分け、書庫などに改修する計画が立てられたが、ボイラー室の天井等に石綿が大量に吹きつけられていることが明らかとなった。
②1986年、急遽撤去工事が行われたので、応微研労研や職連が撤去現場の調査を行った結果、床や配管や書庫の本等にアスベストの固まりがそのまま放置されていた。
③職連や労研と交渉の結果、応微研は改修した部屋への人の出入りを遮断し,9月濃度測定を行ったところアスベスト繊維が検出され、10月立入禁止の措置を取った。
?1988年、応微研は安全委員指針により撤去工事をやり直した。
2) 工学部 8号館
①8号館 工学部の建物に発ガン物質の石綿(アスベスト) (朝日新聞 1987/6/21)
去年構内の環境問題を担当する環境安全センターが、測定依頼のあった工学部で2つの実験室を調べたところ、空気1cc中8、9本の繊維が浮遊していることがわかった。(略)石綿工場などの環境基準は「空気1cc中に長さ5?以上の繊維が2本以下」となっている。基準に比べると東大のケースは4、5倍に当たる。(略)その後、機械工学、都市工学科の実験室などが入っている工学部8号館の天井に、大量に使用されていることが分かり、地下2階地上7階建てのうち、約半数の部屋で天井や壁に吹きつけが行われ、中にはボロボロになって天井から繊維状のものが垂れ下がっている実験室が明らかになった。
②8号館は1~2階を除いて各階の吹きつけアスベストがはげ落ちて危険な状態の部屋があり、昨年10月地下2階の実験室でモグリ石綿撤去が行われその際多量のアスベストが廊下にまで飛散した。環境ガス分析の依頼なども一切なく、このような状態を環境安全委員長は始めて知ったとのこと。また1987年7月には毒性の極めて高いクロシドライトも発見された。
3)工学部 7号館
①1988年2月から改修工事開始したが一時工事中断,再開後4月に中止。「窓枠の腰板に石綿がありこれには手をつけない,それ以外はないとし腰板を除いて工事を続ける」と再開強行。
②天井セメント板に30%以上の石綿含有判明、すでに天井や地階~4階の廊下,1階~3階のトイレは撤去されていた。トイレなどには破損石綿板が多く放置のまま。石綿含有の床Pタイルも2階の大部分と3階の一部を除き防止策なしで強制撤去が判明し工事は再中止。


p.4
    *                               *                                   *                                  *

    「悪いのは君じゃない」思い当たるフシがありませんか

①賃金の計算が1分単位ではない
②売り上げのノルマなどを課されている
③バイトを減らす理由として、「試験勉強」は 認められない
④休憩はとれたりとれなかったりだ
⑤実際の労働条件が、募集の際に提示されたも のと違った
⑥労働条件を書面で渡されなかった
⑦アルバイトの上司・先輩から暴言・暴力・嫌 がらせを受けた
⑧アルバイト間で暴言・暴力・嫌がらせを受け た
⑨シフトや勤務日数、勤務時間を一方的に減ら された
⑩希望していないシフトに入れられた
⑪商品やサービスの買い取りを強要された
 
⑫ミスをした分を支払わされた
⑬準備や片付けの時間に賃金が支払われなかっ た
⑭仕事が延びても残業代が時間通り支払われな かった
⑮就業規則がいつでも確認できるようになって いなかった
⑯賃金が一方的に引き下げられた
⑰賃金が毎月決まった日に支払われなかった
⑱残業代が割増賃金ではなかった
⑲給与明細書がもらえなかった(パソコンで確 認できる場合を除く)
⑳1日に6時間を超えて働いても休憩時間がも らえなかった
㉑仕事上のケガの治療費を自己負担させられた
 

3個以上あてはまった場合…
 完全にブラックバイトです。バイトだから仕方ないかな~と思っているかもしれませんが、違法行為が蔓延しています。なるべく早く相談しましょう。
         (2014年8月結成されたブラックバイトユニオンHPから転載)



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                     職連ニュース No.R03                                                                                                                                              2015,9,8

                        学長は、アスベスト労災団交を
                     早急に行え!


学長はアスベスト労災、大橋さん死去につき早急に団交を行え
  東大職連は、去る6月5日、学長へ団交要求書を提出しました。これに対し、大学本部人事部が「調査等に時間がかかる」とし、2ヵ月後の8月4日予備折衝を申し入れてき、角川本郷ビルで人事部松井課長他2名出席し、職連側3名との折衝を行いました。そこでは「東大の教職員が組合に所属していることを明らかにせよ」と繰り返し、大橋さんがいることを無視してきました。その後も人事部係長との電話でも同様のことを繰り返しています。

人事部は、時間をかせぎ挙げ句の果てに団交を拒否しようというのか
  人事部は、「要求に該当する教職員の氏名を明らかにせよ」と繰り返し、少なくとも誰か東大の教職員が組合に所属していることを示せとしてきました。
死去した大橋さんが職連の構成員であり、その当事者としての大橋さんのアスベスト労災認定について団交要求をしていることは、大学も十分承知の筈です。20~30年前のことであり調査等に「時間がかかる」ことは理解出来ますが、大橋さんのことを無視して、「要求に該当する氏名を明らかにせよ」というのは言いがかりとういうしかありません。

死亡した労働者のアスベスト労災は団交事項である
  亡くなった大橋さんは東大職員であり職連組合員でした。当然、団交要求第3項の1大橋さんの労災認定要求は、義務的な団交事項であり、また大橋さんの代理としての大橋夫人の団交出席も伝えてきました。
  アスベスト労災については、すでに「住友ゴム工業事件」において、死亡した労働者の夫人が参加する、退職労働者の組織した労働組合の団交要求に対し、団交応諾義務があるとの判決が確定しています。(2011年11月最高裁会社上告棄却、大阪高裁判決確定)

団交に、何とか注文をつける人事部
  職連は、第3項目の大橋さん労災認定につき、緊急の要求事項として団交を行うよう要求してきました。大学は時間をかけて調べたといいつつ、今度は「公務災害と言っているのか」と難クセををつけています。当時の大学では、アスベストのモグリ撤去が相次ぎ、私達東大職連の告発行動により、1987年10月ようやく安全センターのガイドラインが策定され、東大での規則が出来たのです。
モグリ撤去を続けてきた大学当局に、「公務災害」が云々という資格があるのでしょうか。大橋さんは、自分の職場環境で、またアスベストの調査、告発活動の中で被曝したのです。

大学は直ちに団交を行え!
  大橋さんが死去して最早半年が過ぎようとしています。大学は団交実施に難クセをつけるのを直ちに止め、早急に団交を行うようあらためて要求するものです。


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          分生研はアスベストモグリ撤去の責任を認め
                        
交渉に応ぜよ

1987年10月、「暫定基準」以前の東大のアスベスト
  東大外では労働安全衛生法のもと、特定化学物質等障害予防規則(特化則)が定められ改訂を繰り返し、法律・規則で安全撤去の基準が明示されそれに従ったアスベスト撤去が行われてきました。東大では1986年ようやく「環境安全」で工学部実験室での高濃度のアスベスト測定値が公表され、学内に10万㎡のアスベストの存在が明らかになりしたが、東大での安全撤去の基準はありませんでした。
1987年職連は、総長補佐交渉や環境安全委員長交渉等で調査の実施や安全撤去を要求しましたが、87年10月環境安全委員長は、総長へ「勧告」「暫定基準」策定を行いました。それ以前、各部局に任されていたアスベストの扱いは、安全策も指針もない、モグリの扱いであったということになります。

旧応微研では地下ボイラー室改修で、アスベストモグリ撤去
  大橋さんの所属していた旧応微研(現分生研)では、実験室でも、アスベスト金網、乾熱器をはじめアスベスト使用の器具に取り囲まれている職場環境でした。
また応微研創立以来、地下ボイラー室等の天井にアスベストが吹き付けられ、粉塵が降り続いてきました。配管ダクト等にもアスベスト保温がなされ、老朽化した部分から環境へ排出されてきました。
1984年1月から、応微研はボイラー室を書庫その他への改修を行うとして、図書室や各研究部から書架雑誌類を運び込み書庫等への使用を開始、このとき天井には吹きつけアスベストが付着したまま、一部は天井からぶら下がっていました。ボイラー室改修では、正規のアスベスト除去は行われず、発ガン物質アスベストが存在する告知もありませんでした。多くの職員・院生がこのスペースで仕事をし被曝したのです。蒸気ボイラー装置は温水ボイラー装置に切替て継続使用されました。当時のボイラー担当者は、ボイラー室で何度も大橋さんと打合せ等行ったことを証言しています。

基準に基づかない旧応微研でのモグリ撤去
  1986年、書庫等の天井に吹き付けられているのがアスベストであることが明らかになり、除去工事が行われました。しかしこの工事のあと、職連、応微研労研等の調査でアスベストの塊が書籍の上や配管、床に残っていたことが判明し問題となり、改めてこの除去工事がモグリ撤去であったことが明らかとなり、1987年10月書庫スペースは閉鎖されました。
1988年、応微研環境安全委員の責任で除去工事が行われることとなり、工事の説明等告知がなされ、5月特化則に基づき、完全密閉・負圧化を施したなかで防護服エアラインマスク使用した除去工事が行われました。

職連、分生研への交渉を申し入れ
  職連は分生研(旧応微研)所長に対し、「応微研時代1986年当時のアスベストモグリ撤去の責任を認め、大橋さんの労災認定に向け学長に働きかけよ」の要求書を提出しましたが、分生研所長は「この要求での交渉には応じられない」とし交渉を拒否しています。本部人事部では30年前のことで部局との交渉を止めるものではないとしています。また大橋夫人は分生研に対し労災認定について職連やユニオンに一任していることを申し入れています。分生研は要求に応じるべきです。

 分生研所長は職連との交渉に応じ、責任を認め、早急に学長に働きかけよ。


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            定年や高齢による差別をするな

職員と教員の定年差別を撤廃せよ
   2013年以降、定年が職員は60歳、教員は65歳となり、職員は退職金や年金などの賃金格差に加えて1年毎の更新チェックなど教員と差別されています。
法人化前の公務員時代の法律(教育公務員特例法第8条)を悪用した差別には、5歳の定年差については、合理的な根拠は何ら説明されたことがありません。
大学の教員に対する地方公務員法第28条の2の第2項中「国の職員につき定められている定年を基準として条例で」とされ「評議会の議に基づき学長が」と恣意的に改訂、法人化前2000年9月評議会で65歳に定年を段階的に延長することを強行決定しました。一般職員には何らの措置・改善策もとりませんでした。

   現行の東大教職員就業規則(定年退職)18条には、
教職員の定年は、満60歳とし退職の日は定年に達した日以後における最初の3月31日とする。特に必要があると認められる教職員については、前項と異なる定めをすることができる、とあり、65歳までの希望者全員の雇用に反する条項が居座っています。これは違法でもあり撤廃させていかねばなりません。
   法人化後の職員への国家公務員法、人事院規則などの「縛り」は勿論「違法」です。
就業規則18条は職員、教員とも一律65歳以上に変えるべきです。

60歳以上の雇用継続を希望する職員全員の雇用を継続せよ
  2013年4月1日から以下の法律が施行されています。
高齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用確保措置)
  第九条 定年(65歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。
一 当該定年の引上げ
二 継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入
三 当該定年の定めの廃止
しかし、現行就業規則には希望者全員65歳まで雇用するとの条項はありません。
更に、現行就業規則には有期雇用について、これに違反する条項があります。
東大短時間勤務有期雇用教職員就業規則、第17章高齢者雇用の特例
(高齢者雇用の特例)
第89条、特に必要と認めた場合には、第4条第6項の規定にかかわらず、満60歳(臨時用務員にあっては満63歳)に達した後の者を雇用することができる。
東大短時間勤務特定有期雇用教職員就業規則、第8章高齢者雇用の特例
(高齢者雇用の特例)
第23条、特に必要と認めた場合には、第5条第3項及び第9条の規定にかかわらず、満60歳に達した後の者を雇用することができる。

   また、有期雇用労働者に関する特別措置法(「有期雇用特別措置法」)で、5年を超えて有期契約を更新する場合、無期転換権をどう考えているのか明らかにしないまま、65歳以上の希望者の雇用の責任を恣意的判断に委ねているままです。


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          安保法制=戦争法案を阻止しよう

圧倒的反対の高まりの中で、安保法制=戦争法、強行の構え
   安倍政権は、憲法変えずに、憲法とは相容れない集団的自衛権の行使が可能になる安保法案を今国会で成立させようと、会期90日延長して強引に突き進み、7月衆院強行採決しました。国立競技場建設問題、戦後70年談話で火の粉をかぶらないように姑息に策を弄しながら、9月参院可決・成立を押し切る構えです。
8/30には国会前に12万大結集、全国300カ所以上の地域で集会デモが行われました。反対は学生・高校生、労働者・市民、高齢者、母親など。年齢層・階層・地域も大きく広がり、安倍政権の支持率は急降下しましたが、それでもなお安保法案を通す方針です。
戦争法と軌を一にした労働法改悪を許すな!
  他方労基法の基本、最も重要な労働者の権利である労働時間に対する給与の支払いを、戦後体制の「岩盤規制」として堀り崩そうとする「残業代ゼロ法案」は、安保法制と軌を一にした攻勢と言えます。当然労働者からの強い反対に直面し、行き詰まっています。ただし安保法制を優先するため、今国会での成立を断念しても、次期国会での成立を狙っています。衆院で強行採決し、参院でも与党が押し切った改正派遣法は、派遣労働者を拡大・固定化することは明白です。安倍政権の推進する労働政策は、正社員を削減し、非正規雇用を大幅に拡大し、残業代支払わないブラック企業を合法化するものであり、格差を拡大し、若者達を兵士へと駆り立てる政策であり許すことはできません。戦争法制定・労働法改悪、断乎阻止!



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職連ニュース  No.R03’     2015,11,13

                     学長は団交の日時を
                早急に設定せよ!!


学長は早急に我々の団交要求に答えよ
   東大職連は、去る6月5日、学長へ団交要求書を提出しました。しかし、学長はこれに対し本部人事部に8月4日予備折衝をやらせたまま、団交の日時の設定をするどころか、放置し続けています。団交要求をしてから既に5ヶ月余、当初「調査に時間がかかる」としていましたが、まだ調査することがあるというのでしょうか。団交要求の第3項目は、今年2月死去した分生研所属の組合員大橋さんに係わる事項で、死去退職関連の重要事項です。

人事部は、時間をかせぎ挙げ句の果てに、団交を拒否の片棒を担ぐのか
 大学本部人事部は、「要求に該当する教職員の氏名を明らかにせよ」と繰り返し、少なくとも誰か東大の教職員が組合に所属していることを示せとしてきました。
死去した大橋さんが職連の構成員であり、その当事者としての大橋さんの労災認定含めて団交要求をしていることは、大学も十分承知の筈です。20~30年前のことであり調査等に「時間がかかる」ことは一応理解出来ますが、大橋さんのことを無視して、「要求に該当する職員の氏名を明らかにせよ」というのは言いがかりというしかありません。

死亡した労働者の労災問題は団交事項である
   亡くなった大橋さんは東大職員であり職連組合員でした。当然、団交要求第3項の1大橋さんの労災問題は、義務的な団交事項であり、また大橋さんの夫人が団交に出席することも何度も伝えてきました。
   労災問題については、すでに「住友ゴム工業事件」において、死亡した労働者の夫人も参加し、退職した労働者で組織した労働組合の団交要求に対し、団交応諾義務があるとの最高裁判決も確定しています。(2011年11月最高裁会社上告棄却、大阪高裁判決確定)

団交要求に、何かと注文をつける大学・人事部
   職連は、第3項目の大橋さん労災認定につき、緊急の要求事項として団交を行うよう要求してきました。大学は時間をかけて調べたといいつつ、今度は「公務災害と言っているのか」と難クセををつけています。当時の大学では、アスベストのモグリ撤去が相次ぎ、私達東大職連の告発行動により、1987年10月ようやく安全センターのガイドラインが策定され、東大での規則が出来たのです。
モグリ撤去を続けてきた当時の大学当局は、自分で「公務」を放棄していたといわねばなりません。大橋さんをはじめ東大職連は、アスベストに汚染された職場の調査や汚染の告発を被曝を顧みず行ったのです。

大学は直ちに団交を行え!!
   大橋さんが死去してもはや半年以上が過ぎました。大学は団交実施に難クセをつけ引き延ばすのを直ちに止め、早急に団交を行うよう要求するものです。


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   地震研アスベストモグリ撤去告発から、

      「基準」策定へ


1987年10月「暫定基準」策定以前の東大のアスベスト
   労働安全衛生法のもと、特定化学物質等障害予防規則(特化則)が改訂を繰り返し、アスベスト安全撤去の基準が明示され、東大学外ではそれに従ったアスベスト撤去が進められてきました。東大では1986年ようやく「環境安全」で工学部実験室での高濃度の測定値が公表されましたが、安全撤去の基準はありませんでした。
   アスベスト独自調査を行ってきた職連は、1987年5月以降総長補佐交渉や環境安全委員長交渉等で調査の実施や安全撤去を要求し、同年7月石綿問題専門委員長のもと、安全確実な撤去の指針が決定されるまで部局の判断で勝手に除去を行わない「石綿凍結」の申し合わせが行われました。しかし直ちに安全撤去は行われず、むしろモグリ撤去が横行していたのです。

東大の基準作成の引き金となった地震研モグリ撤去
   「石綿凍結」のさなか、ズサン極まるモグリ撤去
1987年「石綿凍結」申し合わせの直後、8月15、16日、地震研地下振動台実験室の吹き付けアスベストがモグリ撤去されたことが判明しました。特化則に則る除去とはほど遠く、ビニールシートによる窓・扉の養生、アスベスト部分の含水、粉塵マスク着用、撤去アスベストをモルタルで固め産業廃棄物として処分、という程度で、周辺への周知、有資格者の立会、密閉負圧化、環境測定、防護衣の着用、洗身設備、除塵設備等はゼロであり、作業中、廊下にアスベスト粉塵がまき散らされる有様でした。下請けの作業労働者が粉塵をもろに浴びる被曝をし、室内、周囲への飛散は明らかでした。
職連は緊急に9/10~12、総長、安全委員長への申し入れを行い、同時に地震研への責任の追及を開始しました。総長等は「信じられないこと」との感想でしたが、当の地震研では認識も責任も曖昧でした。

職連による地震研の責任追及と交渉
   9/14、職連は地震研所長交渉を開始しました。地震研は「石綿凍結」を知らなかったとしましが、職連は全学からの結集で連続交渉をやり抜き、実態と責任を追及しました。地震研教授会メンバーが多数出席し、アスベストモグリ撤去の重大性が明らかになり、安全除去の原則の議論も行われました。
   9/16、環境安全委員会は「石綿凍結」をあらためて全学に通知し直しました。
   9/25、職連との連続交渉を通じ、地震研所長は被曝させた反省を中心とする4項目
の確認を行いました。すなわち
①「石綿凍結申し合わせ」に違背した。
②工事中・工事後労働者を被曝させ、2次3次汚染の危険性を生じさせた。放置してあった石綿の回収。
③事態発覚後も本部や環境安全委員会等への届け出を怠った。
④作業労働者始め関係者に謝罪し、責任を取る。
 これを確認し総長に報告しました。また、12月所長は、当時の基準も全く満たさない工事であったことを点検した「調査書」を提出しました。

地震研の事態の重大性ふまえ、総長への勧告、暫定基準策定
   地震研の事態をふまえ、87年10月5日、環境安全委員長は総長への「異例の勧告」を行い、吹き付けアスベストの除去についての「暫定基準」を発表しました。これまでの野放しの「モグリ撤去」を終わらせ安全撤去に向かう一歩でした。


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「大橋さんは1965年応微研に就職以来、職場で実験器具や廃 棄物の処置・処理に従事してきた。その経緯と取り扱った廃 棄物等の内容と量の全貌を明らかにせよ」(団交要求書第5項目2)

 大橋さんは1965年応微研(現分生研)に就職以来、長年に亘って実験器具洗浄や廃棄物の処理等に従事してきました。昨年暮、職場で倒れ急遽東大病院に搬送されましたが入院を拒否され、1月さらに悪化し東大病院に入院し、治療放棄され2月死去しました。大橋さんの死は業務を通しての多くの要因が重なった労災です。

1965年~1993年、旧応微研・・劣悪な職場環境、有害物質に曝され続けた勤務
 私たち東大職連は本年2~3月、分生研交渉で大橋さんが従事してきた業務内容を明らかにするよう要求し、分生研は「大橋幸男氏の労務環境について」を示してきましたが、大橋さんの「半生」を占めた旧応微研時代の業務内容はありませんでした。
 旧応微研は微生物培養、実験動物飼育、化学実験施設でほとんど24時間稼働し、劣悪な職場環境で、「職員の健康保持及び安全の確保」(人事院規則10-4)とはほど遠いものでした。このような環境で大橋さんは、1965年16歳で高校夜間部在学中に就職、実験器具洗浄、研究準備、廃棄物処理等下働きを約30年間続けてきました。
   実験器具洗浄にはクロム硫酸混液(極めて毒性強、発がん物質、皮膚の熱傷、現在は使用されない)を使用し、DNA塩基配列分析業務では放射性同位元素が結果が得やすいため安易に使用されていた時期がありました。旧応微研の改修工事で、1986年、アスベストがモグリ撤去され、大橋さんは自らも被曝しつつ工事従事者の被曝の問題に取り組みました。

1993年分生研へ改組、異動した職場で有害物質含有廃棄物を処理
   1993年応微研は分生研に改組され、さらに法人化(民営化)に先立ち2001年2度目の改組がありました。大橋さんの所属した元研究室は主任教授の退職で閉鎖され、大橋さんは異動させられました。この間講座制は解体され、所属職員は異動を余儀なくされました。大橋さんは研究室閉鎖時には所属研究室の薬品の廃棄を行っています。異動先の研究センターでも有機溶媒廃液収集、処理、廃棄作業に従事しました。

現学長は2004年法人化=民営化以前からの職員の有害物被曝について責任を取れ
   東大は2004年国立大学独立行政法人化し、一般職は民間と同様に労働基準法・労働安全衛生法を適用する組織となりましたが、それ以前は、国公法・人事院規則等が適用されてきました。民営化以前は労災については国家公務員災害補償法が定められており、安全・健康については労安衛法と同等の条項が人事院規則10-4(放射線については10-5)に詳細に規定されており、アスベストを含む「特定有害業務」について「健康障害を防止するための措置」「勤務環境を検査」「記録の保存」等が義務付けられていました。
   民営化以降はもちろん以前も、雇用主である東大学長は、労災の防止義務、安全な職場環境の実現、職員の安全と健康の確保の義務・責任があります。現学長は民営化以前の職員の有害物への被曝・被害について、中でも1986~88年に横行したアスベストモグリ撤去とそれにともなうアスベスト飛散・被曝について責任を引き継いでいます。学長は2004年民営化以降の職員の有害物質被曝については当然責任を負っていますが、民営化以前の職員の有害物質の被曝や被災について全貌を把握し、安全確保、健康維持・管理すべき責任を果たさなければなりません。

加藤研論文不正事件、最後に尻ぬぐいをさせられた大橋さん
 大橋さんは2010年定年となり継続雇用されましたが、2011年所属研究センターが閉鎖され、所長研究室所属で環境安全管理室の業務へと再異動しました。異動後はハロゲン有機化合物(発がん性あり)等を含む廃液タンク洗浄業務を行っています。その時期の最後に大橋さんに押しつけられたのが論文不正事件の後始末でした。
   この事件はマスコミでも大きく報道され、加藤研の発表論文165報中、科学的に不適切な図を含むと判断される論文が51報に上った、というものです。しかし加藤氏は2012年すでに退職、他の3名も処分前に退職しています。3月の分生研交渉では旧加藤研は「自然消滅」し、研究室の「まだ使える試薬等」は「持ち去られた」とのことで、不要で不明な試薬類は大橋さんのところに持ち込まれたのです。当時分生研で大橋さんは、旧加藤研からの薬品は不明なものが多く、分からないからセンターにも出せず困っている、内容不明物は部局の管理不手際となる、と激しい怒りの発言をしていました。論文捏造事件の底辺で、最終的にその尻ぬぐいが大橋さんに押しつけられたのです。

   民営化後は「産業医」が環境安全のチェックを行うことになりましたが、担当産業医は大橋さんのこれまでの有害物被曝の実態を把握していたのか。どう判断していたのか。安全・健康確保の方策を示したのか。産業医の責任も問われなければなりません。



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東大病院は昨年12月大橋さんの入院を拒否し1月入院後、2月強制退院させた経過を調査し,その理由を明らかにせよ
                          (団交要求書第5項目1)

大橋さん入院拒否された後、1月緊急入院
   昨年2014年秋以降、大橋さんの健康状態は急速に悪化しました。大橋さんは昨年12月職場で倒れ、職員が同伴し救急車で東大病院に搬送されました。しかし東大病院は「緊急性がない」との判断で入院を拒否し、三楽病院へ転送されました。このとき分生研は過去大橋さんが接触してきたアスベストをはじめとする有害物質、廃棄物処理業務等の情報を東大病院に伝えたのか。他方東大病院は同じ東大に勤務する職員の、このような職場での有害物の被曝等を把握して対処したのか。何も調べないまま拒否したのが実際ではなかったか。東大病院こそ東大の研究教育を支える労働者の健康管理に責任を負わねばならないはずです。
   大橋さんは正月を家で迎えましたが、さらに体調悪化して本年1月16日三楽病院は胃カメラなどの検査で食道に異常を見出し、東大病院の医師を紹介し,東大病院に緊急入院させました。ここで食道ガン等の診断、腸癆の処置の処方で、消化器外科で手術、ICUで処置を受けました。東大病院が行った1ヵ月ほど前の「緊急性なし」の判断と入院拒否は何だったのか、その理由を明らかにし責任を取るべきです。

東大病院の転院強要から死去まで
 大橋さんは肩からの点滴と腸への流動食の処置等がとられ、一定の回復が見られ、落ち着いてから、筋力をつけるためリハビリを開始、休職後の職場復帰を望んでいました。しかし東大病院はそれ以上の治療をしようとはしませんでした。
   それどころか2月に至り、治療を待っている患者が大勢いるとの理由で、退院・転院を通告してきました。これはあくまでも病院側の建て前で「治療不能、死に向けたケアーしかない」という宣告でした。「医者は私を見捨てるのか」の本人の叫び、家族や友人の何とかもう少しここにいさせて欲しいとの当たり前の要望も聞き入れられず,2月16日転院先で亡くなりました。
 大橋さんは約50年、旧応微研入所以来日常業務では特定有害物質や正体不明の薬物と日々接触する勤務を続け、アスベスト根絶に向けた告発運動を行ってきました。大橋さんの死亡は東大病院の入院拒否や転院強要を含め、このような中で起こった労災死です。




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   職連ニュース     No.R04           2016,5,11

                     大学は団交引き延ばしをやめ、
             直ちに団交に応じよ!
!

                                        要求書
                                                                                       2016年5月2日
   東京大学学長  五神 真殿

                                                                            ユニオンイースト/東大職連

大学は団交引き延ばしをやめ、直ちに団交に応じよ

   大橋幸男氏は東大職員、職連組合員として昨年2月在職中に死去した。当組合は学長に対し団交で大橋氏の労災(公務災害)を認め補償を行うことを要求した。大学は直ちに団交に応じる義務がある。
   しかし、大学はアスベスト問題については調査に時間がかかるので待ってくれとし、昨年8月第1回予備折衝以降はそれに加えて、団交開催の条件として診断書の提出を繰り返し求め、団交に応じていない。
   さらに、大橋氏が東大での50年に及ぶ業務遂行を通じてアスベストのみならず多くの有害物質を取扱ってきたことについて、大学は再び調査に時間がかかるので待ってくれとして、死去後すでに1年2ヵ月が過ぎても団交に応じていない。
   大学は引き延ばしをやめ直ちに団交に応じよ。

   以上、5月13日までに書面をもって回答されたい。 

大学、時間かせぎと逃げ口上
   2015年6月5日、東大職連は学長へ5項目の団交要求書を提出しました。大学は「アスベスト問題は調査に時間がかかる」として、8月4日の第1回予備折衝まで待たされました。ここで大学は調査結果を示すかと思いきや「組合員で要求に該当する教職員はいるのか、氏名を明らかにせよ」と言ってきました。職連は「大橋さんは職員、組合員である」としたにも拘わらず、大学は「大橋さんは死亡していて該当しない」として、大学自ら大橋さんが「組合員で要求に該当する職員」であることを認めず、団交応諾しなかったのです。

団交事項
   大橋幸男組合員は東大職員として昨年2月在職中に死去しました。職連はアスベスト被曝を頂点とする労災死として、死去した職員の労働条件に関わる労災認定を要求する団交を要求しました。即ちこの要求は「団交事項」であり大学には応諾する義務があり、応じないのは団交権の侵害です。(すでに「住友ゴム工業事件」で最高裁は、死亡した労働者のアスベスト労災に関連した事項について、労働者が加盟する組合の団交権を認め、大阪高裁で判決が確定しています。)



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義務的団交事項を否定できず、団交で議論すべき事項で逃げ
   私達職連は、当初から大橋さんの労災認定の要求は団交事項そのものであることを明らかにしてきました。大橋さんは職連の中心メンバーの一人として、1970年以来アスベストのモグリ撤去が横行する中、大学が撤去の基準制定する以前から調査や告発に取り組んできました。
アスベストや有害物質のある職場環境で働いてきた大橋さんの死去は、労災死というしかなく、この団交事項を優先して団交を行うよう要求してきたのです。これに対し大学は、結局義務的団交事項であることは否定しきれず「一般論」として認めつつ、今度は「診断書を出せ」と団交開催に難癖をつけ、団交に応じようとはしませんでした。

アスベスト以外の有害物質取扱い、入転院の経緯についても答えず
   大橋さんは1965年応微研(現分生研)に就職以来、長年に亘って実験器具洗浄や廃棄物の処理等に従事してきました。この業務の中でアスベスト以外の有害物質も多く取り扱ってきたのです。
一昨年暮、職場で倒れ急遽東大病院に搬送されましたが入院を拒否され、お茶の水の三楽病院へ転送後、翌年1月さらに悪化し東大病院に再入院し、2月初め治療放棄され2月半ば死去しました。大橋さんの死は業務を通しての多くの要因が重なった労災というしかありません。
私達は、この入転院についても団交で答えるよう要求してきましたが、大学は拒否を続けています。

義務的団交事項、判断せずに団交応じず
   第1回予備折衝から4ヶ月余経って、12月9日第2回予備折衝がようやく行われました。そこで私達が団交の応諾を問い質したのに対し、大学本部は応じなければならない条件が不明と返答し、またしても団交に応じようとしませんでした。
   私達は12月28日「要求書」を提出し、義務的団交事項と考えているかを文書で回答するよう要求しました。本部の人事部長は1月20日「回答書」で、一般論として「アスベストに起因する疾病に罹患し又はこれにより死亡した職員がある場合、当該職員の退職後であっても使用者側には団交に応じる義務がある」としながら、勝手に死因を「食道がん」と決めつけ、「同氏がアスベストとの関連が明らかな疾病に罹患していたか否かは明らかではない」として、義務的団交事項の判断を拒否し「遺族と相談せよ」とまたもや問題をすり替え、大橋さんが業務で取り扱ったアスベスト以外の有害物については無視。労災認定に至っては全く無視しています。
   労災死した労働者の遺族は収入の道を絶たれます。残された大橋夫人は、夫の突然の死去で今後の生活を立てねばならなくなりました。現在、大橋夫人は東大職連に加盟し組合員としてともに団交要求を担っています。

「調査に時間がかかる」は団交引き延ばし・拒否の口実でしかない。
   アスベスト以外の有害物質の取扱いについて、把握するのが産業医や本部の責任であり団交で答えるよう要求してきましたが、これについても本部は「調査に時間がかかる」として放置したままです。大橋さんの死去から1年2ヵ月、大学は一体何を「調査」しようというのか、私達は問題が長期に亘ることから大学の「調査に時間がかかる」というのをまともに受け止め待ちました。本当に調査しているなら、現在分かっていることだけでも報告する等して団交を実施出来るはずです。大学が調査を理由に団交を引き延ばし、それが通らないと見るや、診断書等にすり替えて団交拒否の口実にしているとしか思われません。



p.3
 団交要求書 第3項、職場での労働安全対策について
1)東大のアスベストを根絶せよ。
▼(1) 東大には 1987年当時約10万㎡の石綿があり「石綿粉塵濃度は一般大気と同程度0,5本/Lで安全」(事務局)としていたが、1987年5月からの補佐交渉等で、職連はそれを遙かに上回る調査分析値を示し即時全面除去を要求した。これに対し大学は除去の必要性を認め、工学部、地震研、病院等と除去工事を行ってきた。このことは事実か。▼(4) 学内にアスベストは現在何㎡あるのか、また根絶の方法を明らかにせよ。

学内には多くのアスベストが約30年たっても放置されたまま
   1987年頃、東大には190室10万㎡(東京ドームの約2倍)の吹きつけアスベストが放置されていました。1970年~1980年代にかけて各学部や研究所ではアスベストの飛散防止や労働者への安全対策等をとらないままの工事が横行していました。大橋さんをはじめ私たちや学生の告発運動を契機に、1987年大学はこのような「モグリ撤去」を「反省」しガイドラインを策定、学内のアスベスト処理の「暫定基準」を決定し公表しました。また私たちとの交渉でアスベストの完全撤去に向けた表明を行いました。

東大の残存アスベストを根絶せよ
   学内では毎年大がかりな工事が行われていますが、入札時業者から経験的にか「解体工事に伴うアスベスト等のリスクは大学側との理解でいいのか」の質問がしばしばされています。(2009年、工学部3号館工事等)「提示した調査等で把握できないリスクは大学の負担とする」と大学は応じていますが、この事実は大学が調査できていない残存アスベストもさらにある可能性を物語っています。
残存アスベストについて昨年発行の大学「環境報告書」は以下の内容を記すのみです。「学内の吹きつけアスベストがある部屋は平成27年7月現在で72室(うち15室は一部のみ)あり・・」。部屋数で言うと約4割近くが30年近くたってもその多くは固めて封じ込めたまま残されています。

アスベスト労災を起こした東大!
   東大は平成18年11月、「暫定基準」決定以前の昭和46年から昭和51年頃アスベスト関連工事に従事していた施設系技術職員のアスベスト被曝の労災を公表すると共に以下の内容を明らかにしました。
      「本学から他機関に異動または退職した職員の方で新聞報道等をご覧になり健康診断等をご希望の方は是非ご連絡をお願いします。」
しかし、大学は大橋さんの労災死については未だ団交に応じていません。

残存アスベストは非常事態で牙をむく!!
   アスベストの「周辺」で生活している東大職員・学生は日常的にアスベストに被曝する危険性に曝され、私達職連はこの危険性を強く警告してきました。地震等の非常事態では、この危険性は飛躍的に高まります(p.4参照)。
   ビルや家屋の解体で飛散することは言うまでもなく、厳重な防御で作業することは法令で規制されてはいても、地震などの非常事態の災害時には通用せず、アスベストが残っている限りアスベストの飛散、汚染は避けられません。残存アスベストの撤去は緊急の課題です。



p.4
  熊本・大分連続大地震、アスベスト飛散の危険性拡大!!
              東大の残存アスベストを早急に撤去せよ!!

厚労省、環境省、ボランティアに向け防塵マスク送付
   本年4月からの熊本・大分連続大地震はまだ現在進行形で予断を許さない状況ですが、あらためて残存アスベストの危険性・緊急性を突きつけています。
ボランティアはすでに多数応募していますが、4月末環境省と厚生労働省は倒壊した建物からアスベストが飛散する恐れがあるため、防じんマスク計66,580枚を熊本、大分両県に送り、被災地で作業するボランティアらに無償配布することが報じられました。被災地では建物倒壊、損壊で大量のアスベストが飛散していることは間違いないでしょう。現地ではアスベスト飛散調査が開始されています。

全国どこでも起きること、残存アスベスト撤去は一刻を争う
   ひるがえって、今熊本で起きていることはこれから全国どこでも起こり得ることと言えます。2011年の東日本大震災では津波に洗われたり流されたりしたため定かではありませんが、1995年阪神淡路大震災では17万棟以上の建物が全半壊し神戸などではアスベストの大気中の濃度が急激に高くなっていることが大きな問題となりました。建物の損壊、倒壊によるアスベストの飛散が問題とされながら、未だ全国どこででもアスベストは大量に残されています。今回の九州での震災が示すことは地震列島日本の全域で地震・アスベスト飛散の危険性があることを明らかにしています。厚労省は1995年以前に建築された建物は危険と警告しています。

東大残存アスベスト、地震での崩壊・飛散の可能性
   熊本地震を見るとき、注目すべきは連続して発生する地震の破壊力です。80年代以降、当時の「特化則」(現在の「石綿則」)に則った厳重な防護措置を施して行う撤去が容易ではないことから、当面吹き付けアスベストを固着させる「封じ込め」も広く行われました。しかし、「想定外」の地震の連続性でこの「封じ込めた」はずのアスベストが、家屋の倒壊、破損で破壊され、飛散することは明らかです。
   東大の残存アスベストをどう完全撤去するかほとんど議論されていない状況です。明日にも起きるかもしれない東海地震、首都直下型地震で東大の残存アスベストの飛散、汚染と被曝は目前に迫っていると予想されます。

東大は残存アスベストの全貌を明らかにせよ、速やかに全面安全撤去せよ
   東大は最低限、まず残存アスベストの全貌を全職員・学生・周辺住民に明らかにすべきです。一刻も早い安全撤去が求められています。


p.1
  職連ニュース   No.R05                 2016,8,25

昨年6月の団交要求に対し、大学は調査に時間かかると対応
   大橋幸男組合員は東大職員として昨年2月在職中に死去。東大職連はアスベスト被曝を頂点とする労災死として、死去した職員の労働条件に関わる労災認定を要求する団交を要求しました。(2015年6月5日、学長へ5項目の団交要求書を提出)。即ちこの要求は「団交事項」であり大学には応諾する義務があり、応じないのは団交権の侵害です。
大橋さんは東大職連の中心メンバーの一人として、アスベストのモグリ撤去を告発し、1987年東大の暫定基準制定に奮闘してきました。そして大学は原則撤去と応急の封じ込め・囲い込みを進めたのです。また、大橋さんはアスベスト以外にも大量の有害物質を取り扱ってきました。大橋さんの死去は労災死であり、私達は、この労災認定を優先して団交を行うよう要求してきたのです。

8/4第1回、12/9第2回予備折衝
   大学当局は事実経過が長期に亘り調査が必要として、8月4日第1回予備折衝まで待たせたうえ、8/4折衝でも大学は調査結果を示さず「組合員で要求に該当する教職員はいるのか、氏名を明らかにせよ」と言い掛かりをつけてきました。大学は「大橋さんは死亡していて該当しない」として、大橋さんが「組合員で要求に該当する職員」であることを認めず、団交に応じてきませんでした。(最高裁は「住友ゴム工業事件」で死亡した労働者のアスベスト労災に関連した事項について、労働者が加盟する組合の団交権を認め、大阪高裁で判決が確定しています。)
 しかし結局、大学当局は義務的団交事項であることは否定しきれず「一般論」としては認めつつ、今度は「診断書を出せ」と団交開催に難癖をつけ、またしても団交に応じようとはしませんでした。さらに、12月9日第2回予備折衝で、私達が団交の応諾を問い質したのに対し、大学本部は応じなければならない条件が不明と返答し、団交に応じようとしませんでした。

大学へ「要求書」出す
 私達は昨年12月28日大学へ「要求書」を出し、この大橋さん労災に関わる事項が、義務的団交事項と考えているか文書で回答するよう要求しました。大学本部の人事部長は1月20日「回答書」で、「アスベストに起因する疾病に罹患し又はこれにより死亡した職員がある場合、当該職員の退職後であっても使用者側には団交に応じる義務がある」と一般論としては認めてきました。
 しかし、死因を勝手に「食道がん」と決めつけ、「厚労省ガイドライン」のアスベスト労災と認定される5つの疾病を挙げ「同氏がアスベストとの関連が明らかな疾病に罹患していたか否かは明らかではない」として、義務的団交事項の判断を拒否し、これこそ団交の中で議論すべきテーマであるにも拘わらず、「遺族と相談せよ」とまたもや問題をすり替え団交に応じませんでした。現在、大橋夫人は東大職連に加盟し組合員としてともに団交要求を担っています。

他の有害物についても無回答
 私達はアスベストのみならず大橋さんが仕事で取り扱った有害物についてあらためて問い質し回答を要求したのに対し、これについても大学は無回答のまま、本年5月、再度本部人事部長が1月回答と同様の回答を出してきました。労災認定に至っては全く無視しています。私たちは東大に対し団交に応じさせるとともに、大橋さんの労災死の認定をさらに粘り強く追及していく決意です。

p.2

残存アスベスト放置は一刻の猶予もない!熊本地震で露呈!
 こうした中で本年4月熊本大地震が発生し、アスベストの危険性を突きつけました。東大に残された多くのアスベストが、東大の教職員・学生は勿論、付近住民の人達を、アスベスト被曝させる危険性が露わにされてきたのです。近年必ず発生すると言われる東京地区の地震災害時には、この東大残存アスベスト被曝の危険性は一気に飛躍的に高まらざるをえません。
 「暫定基準」により封じ込め囲い込まれた、東大の残存アスベストは、地震により一気に外部に飛散し周囲を汚染することは必至です。この時囲い込まれ封じ込まれたことが、逆に建物の破壊と併せて、安心させられてきた周辺の人達をアスベスト被曝に晒すことになるのです。私達職連は、大橋さんの労災死認定と並行して東大のアスベスト根絶を要求をしていきます。事態は一刻の猶予も許されません。大学は直ちにアスベスト根絶の表明を行い、即実施していくべきです。

学内の多くの残存アスベストを完全撤去せよ
 大学は1987年、職連をはじめとする教職員・学生のアスベストの「モグリ撤去」への告発の闘いに直面し、アスベスト処理の「暫定基準」を決定、私たち東大職連との交渉でアスベストの完全撤去に向けた表明を行いました。
 大学は安全・完全な方法による吹きつけアスベスト撤去に向け、全学に公開した年次計画に従って撤去工事を実施していくはずでした。しかし、大学本部は予算不足を口実に、飛散の恐れはまだないと言い訳し、完全撤去しないままアスベストの「囲い込みや封じ込め」に方針変換し放置したままにしてきたのです。熊本地震は、大学が私達の要求を無視してアスベストを完全撤去せず、「囲い込み・封じ込め」してきたいい加減なやり方が誤りであったことを明らかにしています。
 1992年4月まで21年間に亘り東大に在籍し石綿を含有する電熱式乾燥機を使い続け、01年死亡した元東大教員は、公務災害死が初めて認定され、同じ頃当時のアスベスト撤去工事担当の本部職員もアスベスト労災と認定されています。アスベスト起因の病気労災は20~30年の潜伏期間があります。東大の残存アスベストの完全撤去が急務です。

「囲い込み」や「封じ込め」は悪質なアスベスト隠蔽になる
 学内にアスベストがどこに、どれ位,どのような状態で残されているか大学は公表していません。2006年作成した環境報告書の第1号では、1996年以前建てた建物1043棟(105万㎡)を目視、図面調査した結果、吹きつけが188部屋、11764㎡(1.1%)、吹きつけだけでなく1%以上含有の石綿建材も調査対象とした、とあるのみです。
 2009年報告書では、災害時に備蓄倉庫の整備をしたとしていますがアスベスト対策をしたかは不明です。同年環境安全本部が発表した吹きつけアスベスト使用建物調査では、囲い込みや封じ込めが多く残されたままです。工学部や本部等7ヶ所で吹きつけアスベストを撤去したが、新たに駒場6号館では14ヶ所吹きつけ場所が明らかになったとも記載しています。2013年報告書では吹きつけ91室(内29室は一部のみ)、2014年87室(29室は一部のみ)、2015年72室(15室)と未だ大量の残存アスベストがあるのです。

「囲い込み」や「封じ込め」を促進してきた大学
 「囲い込み・封じ込め」てアスベストが多く残存しているのは、東大が「積極的」に推し進めてきたことを示しています。現在のアスベスト対策は、環境安全本部が決定した2006年のガイドラインに則したものですが,その石綿使用建物及び実験機器等の管理指針では、留意点と内容を決めています。
 それによると、吹きつけアスベストであっても、下地に「しっかり」固着、損傷部の拡大が見られない場合、また倉庫、機械室、電気室、変電室等「使用頻度が低い」場所は飛散の恐れが小さいので「安定している」とし、このような場合は、建物使用者に飛散の恐れがなく特別の措置は必要ないことを説明せよと指導しています。囲い込みの場合も全く同じ考えです。

p.3
大震災からの警告・・既存・残存アスベスト即刻撤去の必要性

1995年 阪神淡路大震災
   巨大地震によるアスベスト粉塵の飛散・曝露の危険性に初めて直面した事態です。
約24万棟の建物が全半壊しましたが、この段階ですでに除去されていないアスベストは大量に飛散しました。(神戸市調査ではコンクリートビルの1~2割に吹き付けアスベストが使用されていたとの推定)
   しかも阪神淡路では当初多数の火災が発生し、行政は人命救助、食料・住宅、ライフラインの確保に追われ、交通路の確保も困難な状態で、アスベストは飛散するにまかされたと言えます。
さらに倒壊の危険性のある建物を重機などで解体する際に、飛散を防止するための撒水さえできないままに作業が行われたことも、飛散を拡大させました。
   駆けつけたボランティアは「シート囲いも撒水もなしに、下請け作業員がマスクもせず、ほうきで青石綿のかたまりを掃いていた。作業員に防塵マスクを配ると急いで着用していた」との報告。ボランティアの空気中濃度測定で青石綿、160本~250本/L(当時の工場敷地境界での規制値の16~25倍)を計測。被災自治体は他の対応に追われアスベスト対策を優先できず防塵マスクが絶対的に不足し、災害ボランティアからマスク備蓄運動を提起したのもこのときからです。
   2007、2008年に至り当時の解体作業従事者から中皮腫の発症が明らかになり、労災認定されました。

2004年新潟県中越地震「封じ込め」「囲い込み」の危険性露呈
   新潟県魚沼市の中学体育館では、地震の5年前に天井の鉄骨にアスベストが吹き付けられているのが判明し、その時は除去ではなく石膏ボードで覆う「囲いこみ」が行われました。しかし地震で囲いこみ部分が壊れ、アスベストがむき出しとなりました。市は結局体育館を立入禁止にして除去工事を行いました。
   吹き付けアスベストは除去以外に固化剤による固化・「封じ込め」や囲いこみが対策として一般的に行われていますが、大地震では役に立たないばかりか、新たな飛散・被曝の牙を剥いてくる顕著な事例です。

2011年 東日本大震災
   被害建物122万戸となった東日本大震災では津波と原発事故の「非常事態」で、当初アスベスト飛散・曝露の問題は後景に退いた形でした。津波の影響で直後のアスベスト測定本数は少なかったが、乾燥後とがれき撤去段階での大規模な飛散は、間違いないと思われます。

「封じ込め・囲い込み」は通常時の処置、地震時には無効・有害!
現在の建築基準法では 建築材料に吹付けアスベスト等の使用を禁止するとともに
「建築物に増改築、または大規模の修繕・模様替を行う場合は、既存部分に使用されている吹付けアスベスト等を除去しなければならない。」とされ、ただし一定の条件では「封じ込め」「囲い込み」を「許容する」法令となっています。
「一定の条件(増改築部分の面積が増改築前の1/2以下、増改築部分に吹付けアスベスト等が使用されていないこと、等)」の下でアスベスト封じ込め、囲い込み工事は「建築確認が必要な工事を行う場合には、建築主は、着工前に確認申請書を建築主事又は 指定確認検査機関に提出して審査を受け、確認済証の交付を受ける必要がある」とされており、その工事の記録は残っているはずです。
通常時はこの対策で何とか凌ぐことは出来ると思われますが、地震が発生するや、この対応が逆に無効・有害となって周辺住民を被曝させるのです。この間の、阪神淡路、中越、東北地震はこのことを明らかにし、警告をしているのです。
   明日にも起こるかもしれない首都圏直下型地震への対応を初め、既存、残存アスベストの完全撤去を、全国で実施する必要があるのです。


p.4
   熊本地震、残存アスベスト飛散の危険性、これから本格化

撤去本格化で危険増
 熊本地震を受け、熊本県と熊本市が、日本アスベスト調査診断協会の協力を得て損壊ビルのアスベスト(石綿)調査を進めている。倒壊家屋の撤去が本格化すれば、危険性が増す可能性もある。熊本市の調査に同行した。
 11日、市中心部にある下通商店街の裏路地。市職員に案内された協会のアスベスト診断士が、ビル入り口の天井部分に目を凝らした。約4メートルの亀裂の奥に鉄骨があり、吹き付けられた石綿のようなものが見える。
 測定すると、石綿の含有率は基準値を超えた。石綿が露出しないようふさいでいた天板が外れていたようだ。市職員がビル関係者に飛散の可能性を伝え、「ひとまずブルーシートで覆うなど応急処置をしてください」と要請した(途中略)
 本山理事長は東日本大震災の被災地でも石綿判定に携わったが、「東北では津波が建物を押し流し、撤去は人の少ない場所が多かった。熊本は生活圏内で撤去が始まる」と被害を懸念。(2016/05/16付 西日本新聞朝刊)

 この記事は撤去されないまま封じ込められていたアスベストが地震で危険極まりないものとして「正体」を露わにした例です。
見えないからアスベストが無いという安易な判断は間違っています、アスベストが残されている以上、見た目では確認されなくても、見にくいところや奥の方に牙を隠していることを示しています。天井裏は天井によって隔離されていると思われがちですが、照明器具等の配線は天井裏を通しており、地震前は空気の流通だけですが地震時には一挙に拡散・飛散し汚染を拡大させるのです。

解体作業本格的に開始
*熊本地震、公費解体17棟(益城町11棟、美里町1棟、甲佐町5棟)7月下旬〜8月上旬作業開始、申請1万件超、業者不足響く
 公費解体は、罹災(りさい)証明の被害認定が全半壊とされた建物の解体費を、 国と市町村で負担する特例措置。市町村が業者に直接発注し、阪神大震災と東日 本大震災でも適用された。
*公費解体とは別に、住民が直接業者に依頼し、後で補助を受ける「先行解体」も受け付けており、16市町村で2339件の申請があった。先行解体は順番を待たなくていい代わりに、当面の資金が必要となる。実施数は把握されていない。
 室崎益輝神戸大名誉教授(防災計画学)は「業者は国が全国から集める仕組みに すべきだ。耕作放棄地を仮置き場にするなど、行政が本気になれば2年もかから ない。解体しなければ住民の再建が始まらないことを自治体は意識してほしい」 と強調した。(07月18,19日 西日本新聞、記事抜粋)

地震発生の緊急・非常時に備えてアスベスト完全撤去を!
   熊本地震は今、阪神淡路、中越、東日本等の震災で表面化した残存アスベストの緊急時・非常時の危険性が現実のものとなっていることを示しています。
   損壊家屋の調査・撤去が本格化してきました。アスベストの残存が明らかになった場合、現場をスッポリ覆って囲い込む、あるいは立入を禁止する等、まず飛散の防止、周囲の住民や作業者が粉塵に被曝しないようにすることが第一であり、さらに安全撤去の方法を示すことが求められるでしょう。
   日本列島は阪神淡路以降地震の「活動期」に入ったとされ、東日本大震災で福島第一原発事故が発生し、通常の規制が通用しない緊急・非常事態となりましたが、 アスベストもまた日常の対処では対応できない、想定もしていなかった緊急・非常事態での損壊建物の解体・飛散に備えなければならないのです。何より大地震が来る前のアスベストの完全撤去こそが肝心であり、全国どこでも求められています。